転職面接における質問は
求職者について
現職について
求人について
という3種類に分類されます。
その中でも特に”現職”に関する質問は求職者自身と応募求人に関する質問への回答に大きく影響を及ぼします。
そこで今回は
現職にまつわる質問
への回答のポイントについて解説します!
特に当ブログは
教師から民間企業への転職
を目指す方の具体的なアプローチを解説しています!
面接対策だけでなく、履歴書や職務経歴書、応募する求人を選定するための自己分析の方法に関する記事もありますので、ぜひ参考にしてください!
【現職に関する質問】への対応のポイント!
転職面接の根幹を担う質問への対策を徹底解説!
- なぜ現職(教師)を選んだのか
- 現職(教師)で楽しかったこと・辛かったこと
- これまでの業務でどんな役割、立ち位置だったか
- これまでの業務での成功事例と失敗事例
- 現職(教師)で描いていたキャリアプラン
- 転職をすることにした理由
【現職に関する質問】なぜ現職(教師)を選んだのか
この質問は【自分自身について】の学生時代に関わる質問と重複しています。
現在教師をしている方はそれぞれ異なる学生時代を送ったとしたも、また一度は企業に就職したとしても、
最終的には教師という職業を選択した
というのは教師から転職を考える方々には共通しています。
そのため大学での生活の中からでも
教師という職業選択に繋がる経験
を見出す必要があります。
これが難しければ学生時代以前で、
教師を選ぶことに影響を与えた経験
の延長上にある経験を見つけるようにしましょう。
そうすれば
学生時代は教職を意識してこなかったが、
それまでの経験が学生時代の〇〇という経験にも繋がり、
最終的には教師の道を選ぶことになったのだと考える
といった、ひとつのの道筋に沿った内容へと昇華することができます。
こういった学生時代を振り返る際には
〇〇→〇〇→教師を選択した
というように最終的な選択が「教師」に行き着くように考えるようにしましょう。
ここでもう1度私の経験を例として挙げようと思うのですが、私は教師を志して大学へ進学したわけではありません。
そんな私がどうして”教師”を選択したかと言うと(紆余曲折はありますが…)
- 小さい頃から町ぐるみで大切に育ててもらった(土地に育ててもらった)という意識がある
- 同級生も少なく(小学校10人未満、中学校30人程度)、学校の先生には時間を掛けて接してもらった
という地域への貢献・教職に対するポジティブなイメージの原体験をしていたからです。
これが志望動機=内的な動機になります。
そこに大学で学んだ文学に関する専門性を国語科の教科指導へ繋げ、更に志望動機を強固なものとします。
こちらは志望動機=スキル・技術的な志望動機と言えますね。
私の場合は
町ぐるみで育ててもらった→地域への恩返し→教師
先生に親身になってもらった→人と深く関わる職業につきたい→教師
大学での文学の専門性を生かしたい→教師
というようになります。
これには
他にも選択肢があるんじゃないの?
と思われるかもしれません。
町ぐるみで育ててもらった→地域への恩返し→市役所・町村役場
先生に親身になってもらった→人と深く関わる職業につきたい→ウエディングプランナー
大学での文学の専門性を生かしたい→編集者
としても筋が通ると思います。
これに関してはそれぞれの項目が独立しているのではなく、
地域への恩返しができる職業
かつ(AND)
時間を掛けて人と深く関わることができる職業
かつ(AND)
文学の専門性を生かすことのできる職業
↓↓↓
教師という選択
というように全ての項目を満たしたのが教師だったというような理由にしていきましょう。
【現職(教師について)】現職(教師)で楽しかったこと・辛かったこと
教師から転職を考える方でも、その全てが嫌になったわけではなく、教師という職業が素晴らしい職業であると考える方も多いのではないでしょうか。
私自身もその1人ですが、教師として経験した”良い思い”をどれでも話して良いかというと、そうではありません。
この質問にも答えるべき内容が存在します。それは
教師になることを決めた理由と関連しているか
教師にとっての利益「生徒の自己実現」と関連しているか
ということです。
1つ前の質問【なぜ教師を選んだのか】への答えを確認してみると、そこには教職につくことで得ることができるであろう”やりがい”が含まれていると思います。
そしてそのやりがいは、突き詰めれば教師の利益追求の内容である「生徒の自己実現」へと集約するのではないでしょうか。
私は
地域の恩返しができる
人と時間を掛けて親身に関わることができる
日本文学に関する専門性を生かすことができる
ということを教師を志す理由として挙げました。
これを”やりがい”ベースに言い換えてみると、
地域への恩返しができた
時間を掛けて生徒と親身に関わることができた
授業で日本文学の専門性を生かすことができた
となるわけですが、これでは回答としては不適切です。
具体的なエピソードを挙げることが必要になります。
そのエピソードを準備するためにもう少し整理すると、
恩返し=教育の目的の実現=生徒の自己実現
生徒と親身に関わった結果→生徒の自己実現のサポートができた
日本文学の専門性を生かす→生徒の学びに繋がった
となり、
うまくいったエピソードを”楽しかった(嬉しかった)こと”
うまくいかなかったエピソードを”辛かったこと”
として挙げます。
特に”うまくいったエピソード”を考える際には
変化前の状態→自分が関わる→自己実現
というストーリーを提示するのが分かりやすく、また変化を感じてもらいやすいため良いと思います。
面接では何かを乗り越えた経験を高く評価する傾向にあるということですから、そういったエピソードを盛り込む良い機会でもあります。
一方、”辛かったエピソード”は基本的には”自己実現”が果たされなかったエピソードを挙げることになる場合が多いと思います。
努力が実らなかったことや、志半ばで諦めざるを得なかったことなど、全力でサポートしたにも関わらず目標を果たせなかったという経験も多くあると思います。
この場合も内容には事欠かないとは思いますが、ピックアップには
その挫折が、その後の自分(あなた)の価値観や姿勢に影響を与えたもの
その挫折によって、自分自身が新しい何かを得たもの
が良いと思います。
ただ単に苦労したエピソードを提示するだけでなく、その挫折を乗り越え成長した自分が目の前にいることをアピールとしたいですね。
【現職(教師について)】これまでの業務でどんな役割、立ち位置だったか
教師の方はこの質問への回答が難しいかもしれません。
ここで一度自分自身が持っている役割を役職で挙げてみましょう。
学級担任
クラブ顧問
進路指導部員
ICT担当
入試担当
教科主任
主幹教諭
指導教諭
このように”教諭”であること以外に大きな役職を持っていないことが多いです。
何かの役を持っていても年度ごとの持ち回りであることも多く、またある役職に就いていたとしても民間企業の役職と互換性のあるものが殆どありません。
企業であれば【部長、次長、課長、係長、主任】などの役職があり、それらは多くの企業で共通していますが、教師の世界にはそれが存在していないですよね。
互換性があれば、その役職を挙げるだけである程度どういった役割かを想像することができます。
一方、教師は「主幹教諭でした」と言っても、そもそも主幹教諭とは何かを説明しなければなりません。
そのため
役職を提示するよりも取り組みを説明する
という意識で望むと良いと思います。
例えば先程から例として扱っている”主幹教諭””ですが
校長・副校長の補佐機能、調節機能、人材育成機能及び監督機能を果たすとともに、経営層で合う校長・副校長と実践層である主任教諭等との間で調整的役割を担い、自らの経験を生かして主任教諭等をリードする指導・監督層の教員。
上記の”主任教諭”という東京都独自の役職があるのですが、そこを抜いて情報をまとめると、
上司の補佐役
業務の整理・調整役
同僚への指導者的立場
という内容を抽出することができます。
これなら民間企業のも反映させることのできる役割になりますね。
実際の面接では
私は主幹教諭という、校長・副校長といった上司の補佐、業務の整理調整、同僚への指導を担当する役職に就いていました。その具体的な業務として…
といった話し出しになると思います。
その際、その役職として実際に取り組んだ内容を簡潔に挙げることで、どのような役割を果たしたかをイメージしやすくし、また名前だけの役職ではないことをアピールできます。
また、就いていた役職を元にする場合だけでなく、
名前のついていない役割
もここでは挙げることができます。
というのも【どんな役割、立ち位置だったか】という質問は、具体的な役職名を提示することは求められていません。
他の教員(多くの教師)とは異なる、自分だけ(限られた教師)が果たした役割
を指します。そのため
”1学年の担任”は使えない
学年団で担任を行ないながら”経験の浅い担任の指導・サポートを行なった”は使える
ということになります。
どれを使用するかという優先順位に関しては、これまで同様、求人業務へのアピールに最も繋がるものからピックアップするよう心掛けましょう。
【現職(教師について)】これまでの業務での成功事例と失敗事例
この質問は【楽しかった(嬉しかった)こと、辛かったこと】の質問と重なる部分があります。
教師の業務は児童生徒の自己実現のために行われます。
そのため
成功事例=自己実現ができた出来事
失敗事例=自己実現ができなかった出来事
とするのがわかりやすいです。
この質問への回答を考える際も
【変化前の状態→自分が関わる→自己実現】でストーリー化すること
を念頭に置くと作りやすく、採用担当者が求めるものになりやすいです。
別の言い方をすると、
現状の認識・課題の設定→具体的な方策→達成
という多くの業務に共通する姿勢をアピールすることができます。
失敗事例においても辛かったことと同様に、
その失敗が、その後の自分(あなた)の価値観や姿勢に影響を与えたもの
その失敗によって、自分自身が新しい何かを得たもの
とするのがベターだと思います。
一方、この質問は【楽しかったこと・辛かったこと】とは違ったアプローチをすることもできます。
それは業務改善経験を提示するというものです。
業務改善経験は”やりがい”には繋がるものではないものが多いので【楽しかったこと】などには使えませんが、課題意識を持ち、それを改善するためのアプローチをした実績に相違ないのでこの質問では使用できます。
教師の業務をエピソードにして話をしていくと、どうしても教育の現場ベースから離れ一般化することができずアピールとして成り立たないということも起こり得ますので、こうしたドライな業務改善を成功事例とするのも良い方法だと思います。
私は次のことをアピールしました。
- 前年度の進路実績から課題を分析し国公立大学40%の合格率を20%向上
- 欠席連絡を電話からフォーム入力へと移行を推進し、担当部署の逼迫を解消する(電話連絡8割減)
- 採点ソフトの導入を主導、40%の効率化に成功
- 新しいカリキュラムに対応した言語活動をICTを用いて実施。情報科教員から県内で前例がない取り組みだと言われる
これらを挙げることで職務経歴書の【実績】の欄に話を持っていくことができ、実務的な遂行能力のアピールの機会へと移行することに成功しました。
【現職(教師について)】現職(教師)で描いていたキャリアプラン
教職を離れ、全く異なる業界・職種へ身を置くことになるので、教師の視点でのキャリアプランに関する質問はそれほど多くはないかもしれません。
しかし、よくされる質問として扱われていますので、考えてみましょう。
教師のキャリアプランを考えるのは難しいです。
それは役職とも関係しているのですが、管理職にならない限り年数を経ても担う業務に大きな差はないからです。
また教師のやりがいは生徒と関わることによって感じられるものがほとんどだと思います。
そのため担任・クラブ顧問(昨今是非はありますが)をずっと務めていたいと考える方も多いでしょう。
そうなるとキャリアプラン云々ではなく”生涯担任!”でしかない、と考えるのも無理はありません。
しかし、それではいかないのが面接の場です。
やはり生徒と時間を掛けて直接関わることで自己実現に携わりたい
という前置きをしつつ、その後に入る内容を考えましょう。
それは
生徒のどういう自己実現のサポートをしたいのか
そのためには自分にどんな能力が必要なのか
その能力を得るためにどんな取り組みをしていきたいのか
というものです。
そもそも自己実現という言葉も曖昧なものです。
授業等による知識の獲得
基本的な生活習慣の獲得
進路実現
クラブ活動での成果
行事等で自分の役割を果たす
教育活動には様々な場面での自己実現があります。
その中で自分はどれを突き詰めていきたいのか、それを効果を高めるためにどんな努力をしたいのか、ということをキャリアプランとして挙げるのが良いと思います。
自分の中で何か尖ったものを持つ、という意識の一方で、担任をすると本当に様々な個性の生徒を担当することになります。
そのため限定されたものに秀でた教師、というよりも全ての内容に関して高水準の教師になりたいというのも理にかなったものかもしれませんね。
【現職(教師について)】転職をすることにした理由
この質問は【志望理由】にも関わるものですが、それよりも更に根底にある思いを問う質問です。
志望理由が”どうしてその業界・職種・企業を選んだのか”というというであるのに対し、転職を決意した理由は
どうして教師を辞めようと思ったのか
どうして教師よりも他の業界・職種に魅力を感じたのか
という問いに対する答えを求められます。
この回答を用意する時に注意しなければならないのが
教師のネガティブな側面を転職を決意した理由にしてしまうこと
です。
教師から転職転職をすることに関する話題になった際に
教師は多忙だから
時間外労働が過労死ラインを超えてしまっているから
クラブ活動などで休日にも働かなくてはならないから
生徒の指導や保護者対応で神経をすり減らすことが多いから
働かない年上の教師のほうが多く給与をもらえるのが納得できないから
などと愚痴とも言えるネガティブな理由が多く出てきがちです。
私も根源としては愚痴に近いものがあります。
身内同士での話であればそれでも構いませんが、面接の場ではそうもいかず、
採用担当者が求人業務に適した人材であるかどうかを見極める場
であり、求職者はふるいにかけられる側なのは否めません。そのため
この人ちゃんと働いてくれるかな…?
と懸念される様は発言は控えなければなりません。
もちろんブラックな環境やハラスメントに耐えてください、という趣旨ではありません。
しかし、”少しでも負荷がかかったら辞めてしまうのではないか”という印象は与えるべきではありませんよね。
そのため面接における転職を決めた理由はポジティブなものであるべきだと思います。
そこで考えていきたいのが
教師のやりがい < 転職をしたいという熱意
という図式です。
教師は確かに素晴らしい職業だが、それ以上に外の世界に魅力を感じている。
だから転職を決意した。
という理由になるように練ってみましょう。
それを考える際のポイントは
教師のやりがいを大きな世界に拡大する
教師のやりがいを別のものに転換する
教師の世界は閉鎖的であるというのはよく言われます。
なぜなら学校には教師と生徒という2つの立場しか存在しないからです。
そのため”そこで感じたやりがいをより多くの人に感じてもらいたい”という展開をするのは筋が通ると思います。
より大きな世界
別のもの
が何を指すのかは業界研究に関わってきます。
それは
教師の業務の対象を生徒以外にも拡大する
教師の業務の枠組みを別のものに転用する
という考えになるのかと思います。
前者は例えば”英語科教師の経験を社会人を対象とした英語講師にする”などでしょうか。
こちらは教師の業務をそのまま転用することになるので教育業界に近くなければ難しさがありますね。
後者は”英語科教師としてのスキルを海外企業に対する営業に生かす”、”通訳や翻訳アシスタントとして働く”といった感じです。
教師の業務と志す世界の一部でもリンクがあれば筋が通るので、こちらの方が作り出しやすいのではないでしょうか。
ただ、どちらにも言えることですが、
色々な選択肢がある中でどうしてそこを選んだのか
また
どこに転職を決意するほどの熱量を見出したのか
ということを明確に示す必要があります。
これを考えていくうえでのポイントは、
価値観の変化です。
教師という職業に就くことを決めたのは、その当時の価値観で最適だと判断したからです。
その価値観が変化していなければ、教師を辞して転職しようという考えに至ることはありません。
自分の価値観の変容が起きた経験を挙げることでその理由に根拠を持たせます。
そしてそれは大仰な表現でなくても良いと思います。
小さなきっかけを積み重ねていった結果、
その業界・職種に従事したいと思うようになった
それが転職理由だと思います。
私が実際に使ったのはこちらです!
親身になって進路指導を行なった生徒たちの中で、前向きに進学したにも関わらず辞めてしまった。
前向きに就職したにも関わらず早期離職してしまった。
↓↓↓
時間を掛けてサポートした分、志半ばで挫折した報告を聞くのが辛く、進学後や就労のサポートがしたいと思うようになった。
↓↓↓
大学職員や人材・転職業界への転職を志すようになった。
自分にとってこのまま教師をしているだけでは駄目だと思う瞬間、それが価値観の変化した瞬間なのだと思います。
この価値観の変容は別の側面からのアプローチもできると思います。
そして、その小さなきっかけを見出すための下準備は”自己分析”で既に済んでいます。
もともとそういう要素があった、ということを過去を振り返りながら提示し、
そして、それを振り返る時間を取った結果、これをせずに人生は終わらせられないと思ったというエピソードを添えることも転職理由として成立するかと思います。
そしてそれを可能としたのがコロナ禍です。
実際に私自身、自己分析をしたのはコロナ禍です。
世界中で生活が制限され、動画配信やリモートによる授業など学校のあり方も変化した。
制限のために自分自身のあり方を見つめ直す機会を得て、色々な可能性や生き方があることを感じた。
その中で、自分自身の中で大切にしていたものを改めて見つめ、挑戦したいと思うようになった。
そしてそこでは教師での経験したことを生かせると考えている。
というストーリーも使えるのではないでしょうか。
転職理由は案外ドライに答えてしまいがちですが、自分の人生を一転させる一大決心です。
そのため個人的にはドラマチックなくらいがちょうどいいとも思います。
かといってその世界に入り込みすぎたり、長くなりすぎたりすることは要注意で簡潔に構成することを心掛けましょう。
私はこの2冊で自己分析ができました!
面接対策に関連する記事はこちら!
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