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旅先のお土産屋で、亡き父と話をしたいと思った。

連休を利用して妻と旅行に行った。

私は旅が好きだ。
誰も自分のことを知らない土地、初めて見る景色、すべてが新鮮で自分の世界が広がるように感じる。
学生のころから47都道府県は全て網羅してみたいという思いはずっと持っている。

今回の行先は韓国。
私にとって初めての土地で、妻は何度か訪れたことがある。

誕生日プレゼントで妻から貰った雰囲気のいい写真が撮れるカメラを使えるのも嬉しかった。

特に国が違うと売られているものも全く違う。
無意識のうちにきょろきょろと周りを見渡してしまうほど、何もかもが魅力的だった。

その中で、亡き父を思い起こすものが異国にあった。
それはお土産屋さんに売られていた”こけし”だった。

写真を残しそびれたが、なぜかこけしが売られていた。
そのたたずまいは異国情緒があるというわけでははなく、日本のこけしそのものだった。

なぜ”こけし”で父を思い出すのかというと、実際にお土産にこけしを買ってきたことがあったからだ。


父は元高校教師だった。
私と違い、立派に定年まで勤めあげ、管理職になるのではなく生涯担任を貫き通した。
部活動の指導にも熱心で、私が幼いころは土日はどちらも不在のことが多かったように思う。
その当時は、母は私が寂しくないようにと色々なところに連れて行ってくれた。

そんな父であったが、顧問を受け持っていたクラブで全国大会に出たのは長い教員生活で1回だけだった。
それも専門のスポーツではなく、晩年に受け持っていた囲碁将棋部の顧問だった。

それでも「全国大会に行く」ということを私に報告した際にはどこか嬉しそうだった。
そしてその全国大会帰りに購入してきたお土産が”こけし”1個だった。

これはたまに登場する私の妻である”こけしちゃん”のアイコンにしている。
なぜなら父が買ってきたこけしは妻に向けて買われたものであったからだ。

私には兄がおり、私の家には娘がいなかった。
だから私が妻と結婚した際に、父はとても喜び、実家に妻と行くたびに歓待してくれた。
たまに私だけが実家に行くと、「お前だけか…」と少し寂しそうに笑っていた。

初めての全国大会、お土産を探しながら父は何を思いこけしを選んだのだろうか。
韓国でお土産を探しながら出会ったこけしを見ながら、私は父と話をしたくなった。

教師という仕事の面白さや大変さ
父も教師を辞めたがっていたということについて
営業職として働く今の悩み
家族のことや私たちにはまだ子どもがいないこと
父の趣味であった釣りにいつか行こうという話

こうやって父のことを考える度に、話していなかったことがたくさんある感じる。


実家では私の結婚式の時の気恥ずかしそうな写真の姿で私を迎えてくれる。
直接言葉を交わすことができないが、仏壇越しにたくさんの話をしたいと思う。

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