この記事を読んで分かること
- 転職における選考の種類と目的が分かる
- 自己分析の2種類のアプローチが何か分かる
- アピールに説得力を持たせるための方法が分かる
- 深い背景を持つアピールを作る方法が分かる
- アピールを使うときの注意点が分かる
はじめに。自分の意志で転職活動を進める感覚を持ちましょう!
kurin(くりん)です。
私は2023年夏に転職活動を始め、12月に未経験業界・未経験職種の企業から内定を頂きました。
そして2024年4月より、民間企業で会社員として勤務しています。
教師という職業から一般企業への転職を目指すこと
30代中盤での未経験業界・未経験職種への転職を目指すこと
これらは決して難易度が低いわけではないですが、私を含め多くの方が成し遂げてきたのも事実です。
教師でも30代中盤でも転職はできる!
当ブログでは内定を頂くまでの道のりを振り返り、そのポイントをまとめることで特に教師からの転職を考えている方々の力になりたいと考えています。
Kurinの転職活動 内定までの道のり
7月15日:リクルートエージェント初回電話相談
10月 6日:リクルートエージェント キャリアアドバイザー面談
10月20日:doda登録
11月30日:内定企業との初面接
12月19日:内定企業との最終面接
12月20日:内定
ステップ1・2の活動初期と本格的に活動を行い始めたステップ3の間には3ヶ月のブランクがあり、実質の転職活動は10月から12月までの2ヶ月だと言えます。
実働2ヶ月で内定GET!頑張りました!
この転職活動で多くの時間を割いたのは
自 己 分 析
でした。
転職活動における自己分析というと、
自分の性格や好みをまとめるだけでいいんじゃないの?
自己アピールができていれば自己分析なんていらないと思う。
と考えられがちです。
しかし、転職活動はそんなに簡単なものではありません。
教師から民間企業への転職は未経験の世界への挑戦。
万全の準備で望まないと内定は得られません…。
そこで今回は自己分析の必要性に始まり、自己アピールへと繋がる自己分析の方法についてお話したいと思います。
特に自己分析のステップは
実際に教師であった私の経験を例とした
教師のための自己分析ステップ
となっていますので、教師の方にとっては大変参考になると思います。
全ての例が教師・教育に関わるもの!
”自分なら…”と置き換えながら考えやすいステップになっています!
転職活動、最初は何をする?”自己分析”と”企業研究”
当ブログでは転職活動初期に考えがちな悩みと、そこから一歩前進するための姿勢についてお話しています。
上記の3記事は転職活動初期に抱えがちな悩みと、そこから一歩前進させるための姿勢についてお話しています。
これらは内容は転職活動のメインストリームというよりも、転職活動を行うための準備に関するものです。
教師から民間企業へ転職をする場合には、その可能性を感じられるまでにも心理的ハードルがありますから、それを解消するための記事が上記のものです。
この中でも触れている、
自責と自走の姿勢
は非常に重要なものであると思います。
ハローワークを除く転職に関するサービスは営利企業によって提供されており、私達の転職によって発生する金銭を追求しています。
そのため完全に私達のためを思ってアドバイスしてくれているのではありませんから、全てを鵜呑みにせず良いバランスでその恩恵を享受する必要があります。
転職活動は転職サイトの運営企業や転職エージェントのためではなく、自分自身のために行うものだということを忘れずに!
当たり前な話ですが、いくら転職サイトやハローワークに登録しても、いくらエージェントと面談を重ねても転職を実現することはできません。
求人に対して応募をすることで転職が実現する可能性が生まれます。
企業に応募するまでのステップ
選考のステップ
本格的な転職活動とは特定の企業に対するアプローチ=選考を指します。
どういうものかをすでに理解していただいているとは思いますが、確認のために各項目を少しだけ説明したいと思います。
ここからお話する内容は、教師から未経験業界・未経験職種への転職を考える方に限ったものではなく、全ての就職活動や転職活動において前提とされているものです。
そのためご存じの方は、次の項目へ進んでいただいて構いません。
転職サイト等で募集されている気魚からの求人に応募し、採用を依頼すること。
応募の際には面接希望日程を合わせて示すことが多い。
募集されている求人へ応募をした後に行われる各選考は下記のような特徴があります。
【求職者側】
自分自身が希望求人に適う人間であることをアピールをする場
【企業側】
求職者が募集求人に適う人間であるかを確認する場
履歴書 | 職務経歴書 | 適性検査 | 面接 | |
---|---|---|---|---|
方式 | 書面 | 書面 | WEBテスト | 対話 |
フォーマット | ◯ | △ | 正誤あり | △ |
主体者 | 求職者 | 求職者 | △ | 採用担当者 |
説明の機会 | ✕ | ✕ | ✕ | ◯ |
このように応募書類は求職者からの提示、面接は企業側からの確認と主となる者が違います。
応募する求人を決めた基準や理由は?
自分自身が求人業務に適うと言える根拠は?
これらへの答えがはっきりしていないと闇雲な転職活動となってしまい結果もついてきませんし、もし運良く内定を頂いたとしても入社後のネガティブなギャップが多くなってしまう可能性が高いです。
”こんなつもりじゃなかった!”と言っても後の祭り…。
はっきりと働ける未来を思い描けるように準備しよう。
こういった事態を避けるために、
自分自身の転職軸を持つこと
と
業界・職種・企業研究
この2つが必要です。
そして、これらを考える上で重要なキーワードがこちら。
親和性
先程の質問、
応募する求人を決めた基準や理由は?
自分自身が求人業務に適うと言える根拠は?
に明確に答えるためには、自分自身と応募する求人の業界・職種・企業の両面を詳しく理解しておく必要があります。
そして、ただ理解をするだけでなく、両者に深い繋がりを見出さなければなりません。
その繋がりを親和性と呼びます。
この2つのステップの関連性=親和性と呼びます。
そしてこの”親和性”は、自分自身の経験と応募求人の関連性を見出すことができるほど、業務の再現性も高く感じられますし、業界に対する思いも強く感じられます。説得力にも大きく影響を及ぼします。
親和性がある場合
…という経験し、
…という思いを持っています。
業界や職種を選んだのは納得!
やりがいを持って働いてくれそう!
…経験をして、
…のスキルを持っています。
求人の業務で活かせそう!
入植後に活躍してくれそうだ!
親和性がない場合
…という経験し、
…という思いを持っています。
どうしてこの業界や職種を選んだんだろう…?
…経験をして、
…のスキルを持っています。
それは求人の業務のどこで使うの?
ちゃんと働けるの…?
親和性がある場合とそうでない場合から、その重要性をおわかりいただけるでしょうか。
【親和性で考える】教師の経験は未経験業界・職種で使える?
教師から民間企業へ転職をするのは難しい。教師の経験は評価されない。
「教師 転職」などでキーワード検索をすると、上記のようなネガティブな表現をよく目にします。
その”難しさ”や”使えなさ”を恥とする転職の困難さの原因が、教師の経験と民間企業の求人の親和性を見出すのが難しいと考えられていることです。
教師と民間企業の世界はぜんぜん違うと思われています。
”教師の常識は世間の非常識”なんて言われたりもしますからね…。
社会=民間企業と教師の世界には大きな隔たりがあるというのは間違いではありませんが、それはある意味当たり前なことです。
なぜなら、それぞれが追究する利益が違うからです。
教師の追求する利益 | 民間企業の追求する利益 |
---|---|
児童生徒の自己実現 | 民間企業の金銭的利益 |
他者のため | 自己のため |
教育活動の提供 | 自社サービスの提供 |
教師と民間企業では存在の理由とも言えるこの土台が異なるのですから、その追求に向かう業務やマインドに違いが出るのも当たり前です。
その違いを世間では「非常識」と呼んでいる側面があると思います。
本当に独特の感性を持っている先生がいるのは別の話…。
でも会社員だって同じですよね。
転職の舞台においても、この違いから繋がりが無いと決めつけられ、
教師の経験は民間企業では活かすことができない。
だから教師は民間企業では使えないし、教師の経験は転職活動でも評価されない。
と半ば強引に決めつけられてしまいますが、私はこれには全く同意できません。
教師と民間企業は追求する対象が異なっても、
それを実現するためのアプローチには共通するものがある
と考えるからです。
プレゼン力
傾聴力
タスク・スケジュール管理能力
同僚への教育経験
業務改善経験
基本的なパソコンスキル
この自己アピールは教師と民間企業、どちらのものでしょうか?
答えは”両方”です。
民間企業の方の自己アピールであるのは想像しやすいですが、これは教師の業務を元に抽出したものです。
きちんと整理をすればアピールできる強みはあります。
どうピックアップするか?
どう表現するか?
これが重要になります。
どれだけ上手く作ったつもりでも、それが募集求人の業務で求められていないものであればアピールとしては成立しません。
うまくピックアップするために自己分析、マッチ率を上げるために業界研究があるのです。
つまり、自己アピールをするためには、
求人業務との親和性を高める
業界・職種のやりがいとの親和性を高める
という2つの側面・3つのステップが必要になります。
”自分の経験や思いがどの業界とマッチしているか”ということに対して明確な根拠を保つ必要があります。
就職活動や転職活動に自己分析が必須だと言われるのはこのためです。
自己分析の重要性が世間で叫ばれるのも納得ですよね。
自己分析の必要性についておわかりいただけたでしょうか。
では次の項目からは、
教師の経験と民間企業との繋がりを見出すための自己分析
教師の経験を未経験業界・未経験職種に活かすための自己分析
の具体的な方法を説明していきたいと思います。
”自分自身の半生を振り返る”自己分析はなぜ必要?
では自分自身が生まれてから現在に至るまでの状況や経験を振り返る自己分析を行います。
これによって特に、
業界や職種、企業への応募理由
教師という職業を選んだ理由や”やりがい”
自己アピールで上げる項目の根拠
を説得力の高いものにすることができます。
・198◯年◯月◯日生まれ。暴風雨が襲った日に生まれた。
・出身は◯◯県。
・小中高は地元の学校に通う。
・大学は〇〇大学で日本文学を学ぶ。
・大学卒業後は地元に戻り、高等学校の国語科教師として勤務した。
これは確かに自分自身の半生を振り返っていますし自己紹介としては正しいかもしれませんが、転職活動では活かすことができません。
どうしてその高校を選んだのですか?
どうして〇〇大学を選んだのですか?
どうして日本文学を専攻したのですか?
どうして地元に戻ろうと思ったのですか?
どうして教師になろうと思ったのですか?
どうして高校という校種を選んだのですか?
この例ではそれを答えることができません。
なぜならこの振り返りでは”自分の意思決定の背景”を読み取ることもできないからです。
履歴書や職務経歴書で記載する自己アピールは”求人業務を全うすることができる”という根拠を示すものですが、先述の通り面接では現在に至るまでの”自己決定の軌跡=自己決定に至る自分自身の価値観”に注目し、その一貫性を見られることも多いです。
書類選考と面接に共通するのは”何をしてきたか”。
面接では”どうしてそう考えてきたのか”がプラスで聞かれるということですね。
転職活動における面接ではそのスタートとして”自己紹介”を求められることが多いです。
そして先程の質問に加えて、
どうしてその業務にやりがいを感じるのか
どうして転職することにしたのか
どうしてこの業界なのか
どうしてこの職種なのか
どうしてこの企業なのか
という質問に対して、その選択の背景になる経験を幼い頃から挙げていき、その一貫性持った答えを用意しなければなりません。
ですのでここで必要なのは、
・かなりの田舎に生まれ、地域の方に大切に育ててもらった
・学校という場が子どもたちの集う場所でさみしい思いをしなくて済んだ
・両親が共働きだったから教師が一種の親代わりだった
・地域のこどもが少なく、ひとり遊ぶをするしかなかった
・遊びを面白くするために自分独自のルールを取り入れ工夫していった
・勉強も塾などが近くになく自学の仕方も工夫した
といった振り返りです。
上の3つが教師を志した理由に繋がる経験、
下の3つが業務改善意識や自主的に学ぼうとする姿勢の背景となる経験ですね。
つまり、ここでピックアップしていくのは
自分の意思決定や思考に影響を与えた経験
です。
どうして自分はこんな考え方をするのか
どうして自分はこんな選択をしたのか
人生には無数の岐路があります。
なんとなく決めたものでも、その背景には過去の経験が大きく影響しているものです。
その中でも
人生を大きく左右する選択
もまた、それまでの人生経験に基づく判断がなされた結果なのだと思います。
そしてそれを選ぶことになった
自分自身の考え方の傾向
というものも、自分の経験が大きく影響しています。
先程挙げた質問の選択ひとつひとつの背景にある太い軸を見出すのが自己分析です。
この自己紹介を軽視しスタートを誤ると面転職活動自体がブレの大きなものとなってしまい人生を好転させることができなくなってしまいます。
そのためその軸をしっかりとしたものにするための自己分析に力を注ぎましょう。
自身の半生を振り返る必要性、わかっていただけましたか?
【自分自身の半生を振り返る自己分析】具体的な方法は?
振り返りを行う手順ですが、大雑把に言ってしまうと
物心ついた頃から現在までの選択と、その選択に影響を与えた経験を整理すること
です。
そのための行程として、おすすめの方法を紹介したいと思います。
振り返る時代は幼少期・小学生・中学生・大学生・社会人など。
細ければ細かいほど良い。
各時期の状況に加えていく。
①と②で当時を振り返る、③でその繋がりを検討する、という流れです。
これを行っていくと
ある時代の③を考えた際に、それ以前の時代の経験が影響を与えていること
に気づくはずです。
そういった時代を超えて影響を与える考え方が自分の軸となります。
ただ理論を述べるだけではイメージしづらい部分があるので、先ほども少し使いましたが私の半生を例に簡単に説明してみましょう。
Kurinの幼少期
☆2人兄弟の次男として過疎化の進んだ山間部の地域に生まれる
☆”近所”というものが少ない地域
☆近所には子どもがほとんどおらず、同い年の子の言えまでは数キロの距離
☆保育所に通うと同級生は10人未満
☆両親が共働きで同居している祖父母に可愛がってもらう
☆家族以外には人見知り
☆家族の前では明るく活発
☆祖父母が好き
☆特に無し
Kurinの小学生時代
★同級生は保育所と同様に10人未満、子どもと遊べるのが小学校
★登下校中には地域の方が声を掛けてくれる
★親が共働きのため教師も親代わりの存在
小学校から帰宅すると祖父母の家に直行
★遊びはもっぱら一人遊び
★一人遊びも普通に遊ぶだけでは飽きてしまうので自分なりのルールを加えてアレンジ
★読書が好きになる
★レゴが好きになる
★人見知りは変わらず、家では明るい
★特に無し
Kurinの高校生時代
☆通える範囲で一番の進学校に通う
☆最寄り駅も遠く、父に送り迎えをしてもらう
☆指導者のいないクラブで上位大会に進出
☆塾に通わず学年上位を維持
☆読書は相変わらず好き
☆自作の問題の作成など勉強の仕方を工夫する
☆プラモデル作成にハマる
☆完璧主義の傾向、ミスを嫌う
☆都会への憧れ、外の世界を見たくなる
☆片田舎での生活の反動、都会への興味
☆一人遊びからの工夫をする精神
☆一人遊びからくるこだわりの強さ
Kurinの教師時代
★就職活動が上手く行かない
★教育実習で教師の面白さに気づく
★国語教育への反感
★クラブ指導の面白さ
★生活指導をしっかりする教師
★業務改善の意識
★地域に大切に育ててもらった恩返し
★人と深く繋がって育った経験
★工夫してアレンジしていく経験
中学生時代は省略しましたが、このような感じで簡単に振り返ってみました。
幼少期や小学生時代は自分の意志で選択をするような経験が少ないため②や③の項目はシンプルです。
高校生や教師になるとSTEP3に挙げる項目
例えば、高校時代の”都会への憧れ”は過去の”田舎暮らし”が影響しています。
また、教師時代の”業務改善の意識”は小学生や高校生での”アレンジする”という経験が根底にあることが分かります。
CHECK!! Kurin子供時代 一人遊びのエピソード
私は極端な過疎の山間部(僻地)の生まれですから、行動の選択肢がほとんどなく
小学生の有り余るエネルギーを一人遊びで発散していました。
その遊び方も普通に遊ぶだけでは飽きてしまうので自分なりのルールを加えてアレンジしていました。
よく覚えているのは”ただ自転車に乗るのではなく農家である自宅の畑をレースコースに見立て、一度も地面に足がつかないまま何周できるかを競う”という遊びです。
朝から晩まで1日中同じところをグルグル周る様子は周囲から見れば奇行でしかありませんが、私にとっては楽しい遊びでした。
ここからは転職活動で使用することを意識していきたいと思います。
自分自身でアレンジする
という私の特性はこの後にも影響を及ぼしており、中学生時代・高校生時代の勉強は
学習塾が通えるような距離になかった(環境)のため自分自身で勉強し、
定着度を図るために予想問題を自作する
という方法を取り入れましたし、教師になった現在でもいわゆる”例年通り”が好きではなく、
少しでも便利にならないか
少しでも良くならないか
と色々なことを取り入れようとしたりします。
それが次の実際に使用した自己アピールに繋がっていきます。
【業務改善経験】
・採点システムの導入を主導
・欠席連絡フォームの導入を主導
・県内で例のない方法でのICTを用いた教科指導
・進路指導における担当生徒の合格率の向上
これらの「業務改善経験」をどうして行うという選択をしたのかという問いを考えてみると、
選択肢がない中で自分なりにアレンジしてきた
という私の選択の軸が見えてきます。
これがまさに冒頭でお伝えした選択の背景にある太い軸であり、ある時代の③を考えた際に、それ以前の時代の経験が影響を与えていることでもあります。
この作業を時代ごとに行なっていき、自分の特性とその背景にある軸を繋げていってください。
その作業によって見出された軸が自己アピールの背景となり、説得力をもたらしてくれます。
繋がるもの、繋がらないもの関係なく全てを挙げてみよう。
そうして年代ごとで過去からの影響を見出していくと使えるものや、現在の自分に影響しているものが見えてくるはず!
自己分析に役立つ最強書籍を紹介します!
ではこの記事の最後に自己分析を行うに当たり大変役に立った書籍を紹介したいと思います。
ここまで話をしておいて申し訳ないですが、
実は私は転職活動を始めてから、一度も自己分析をしていません。
それは過去に読んだ2冊の書籍で自己分析が済んでいたからです。
そして、当時は転職関係なしに行った自己分析でしたが、内容の取捨選択はあったもののやり直すこと必要はありませんでした。
それぐらい精度の高いものなので、紹介させていただきたいと思います。
この記事をお読みの方は、ちょうど面接対策や応募書類を作成している方が多いかと思いますので是非参考にしていただければと思います!
【自己分析におすすめの書籍①】
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』八木仁平
このような書き出しから始まるこの書籍は、まさに自己分析をするための書籍と言えます。
転職活動においてもブレない軸を持つことが非常に大切です。
また書籍内では
「この仕事をずっと続けていいかわからない。」
という言葉が続くように、自分にとっての適職を探すことに役立つのが見て取れ、目次を見てみると、
- 大事なこと(価値観)から仕事の目的が生まれる
- 転職・就職面接でも無敵になれる理由
といった仕事に関わる項目もあります。
そして、よく出てくる言葉が「自分軸」。
これだけでも、今回紹介した自己分析に共通するものが多くありますよね。
またこの書籍の更に良いところはタイトルに「世界一やさしい」と書くだけはあり、
自己分析を行う過程がわかりやすい
ということです。
親しみやすい例も合わせて添えられており、それを読みながら
自分の場合は…。
と考えながら進めることができます。
私の転職活動はこの書籍によって支えられたと言っても過言ではありません。
【自己分析におすすめの書籍②】
『メモの魔力』前田裕二
次に紹介するのはSHOWROOM株式会社の代表取締役社長としても有名な前田裕二氏の書籍です。
この本も非常に有名でよく売れていますよね。
ただここで紹介したいのは
メモを持とう!
という話ではなく(それ以外にも大切なことを示してくれている書籍ですが)、その中にある
「ファクト→抽象化→転用」という最強フレーム
です。
これはこれから自己分析で挙げた自分の価値観や強みをアピールへと転換していく時に使用する考えです。
またこれだけでなく巻末には自分を知るための【自己分析1000問】を載せてくれており、
夢・性格・家族などの項目に分かれた質問に対して
幼少期から現在・未来といった様々な視点から応えていく
という形式のものです。
1000問という質問内容に答えるのは大変骨が折れますが、昔のことなんて思い出せない!という人には当時を振り返るヒントをくれる書籍です!
この2冊で自己分析は完璧!あとは転職活動へ転用するだけ!
上記で紹介した2冊との出会いは私の転職活動を大きく進めてくれました。
どんな経験も巡り巡って役立つことがある
とはよく言いますが、転職活動を実際に行う数年前に読んだ書籍たちが今になって自分自身を助けてくれるとは思いも寄りませんでした。
書籍を読む順番としては
『メモの魔力』
↓↓↓
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』
がいいと思います。
『メモの魔力』質問に答えた内容を使って、『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』で自分軸の作成を行うという流れです。
この2冊を参考にして、ぜひ自分自身の半生を振り返ってみてください。
次の項目では2つ目の自己分析である、求人の業務に適応できることをアピールするための、
【”教師の経験を振り返る”自己分析】
について解説していきたいと思います。
どうして”教師の経験を振り返る”ことは重要?
転職活動において求められる書類選考や面接は
自分自身が希望求人に適う人間であることをアピールする場
求職者が募集求人に適う人間であるかを確認する場
としての意味合いが強いです。
そして教師からの転職を目指す人にとって、求人に適う人物であることを示す根拠の中心となるのが
教師の経験
です。
教師の経験を企業で活かせると評価してもらうには一定の説明が必要です。
そのためには
という行程を通る必要があります。
そのステップ1【教師の業務を民間企業のものに変換する】その準備が今回のテーマ、
”教師の経験を振り返る”自己分析
です。
”教師の経験を振り返る”自己分析”のための2つのステップとは?
何年度に、どこの勤務校で何を経験したのかを挙げる
1日の業務を挙げる
”教師の経験を振り返る”自己分析には上記の2つのステップがあります。
大きな目線での振り返りと、細かな目線での振り返りですね。
”年単位・学校単位の振り返り” 例を使って説明します!
学校の業務は1年単位で回るものが多いです。
学年・クラス
担任・副担任
分掌
担当クラブ
ETC…
このように1年周期で切り替わるものを簡単に思いつくことができると思います。
ここで行うことはこれです。
その年度ごとにどのようなことを担当したのかを書き上げる
ここでは私の12年の経験を例として挙げたいと思います!
◯年目 | ◯校目 | 職名 | 学年 | 校務分掌 | 部活動 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|
1年目 | 1校目 | 講師 | 2学年/学年付き | 生活指導 特別活動 | テニス | |
2年目 | 2校目 | 講師 | 1学年/副担任 | 生活指導 | ハンドボール | |
3年目 | 3校目 | 講師 | 1学年/担任 | 生活指導 特別活動 | 陸上 | 定時制 入試担当 |
4年目 | 4校目 | 教諭 | 1学年/副担任 | 生活指導 | バドミントン | 入試担当 |
5年目 | 4校目 | 教諭 | 2学年/担任 | 生活指導 | バドミントン | 入試担当 |
6年目 | 4校目 | 教諭 | 3学年/担任 | 生活指導 | テニス | 入試担当 |
7年目 | 4校目 | 教諭 | 3学年/担任 | 生活指導 | テニス 軽音楽・吹奏楽 | 入試担当 |
8年目 | 5校目 | 教諭 | 1学年/副担任 | 進路指導 | 野球 | |
9年目 | 5校目 | 教諭 | 2学年/担任 | 進路指導 | テニス | 入試担当 |
10年目 | 5校目 | 教諭 | 3学年/担任 | 進路指導 | テニス | 入試担当 |
11年目 | 5校目 | 教諭 | 3学年/担任 | 進路指導 | テニス | 入試担当 |
12年目 | 6校目 | 教諭 | 1学年/担任 | 進路指導 | テニス | ICT担当 |
自治体や学校によって呼び方が異なるものがあると思いますので、分かりづらい部分があったらすみません。
これを用いて自己アピールを作成していくわけですが、使えそうな情報を抽出する時には
- どの時期(西暦何年)に経験したかは省略する
- 学校名や何校目かは省略する
- 職名(講師・教諭)は省略する
- 期間や対象人数等を明記し数値化する
ということを意識するようにします。上記の私の12年間の経験を整理してみると
学級担任…40人×8回=320人
生徒指導部員(分掌)…7年
進路指導部員(分掌)…5年
入試担当…合計8回(年)
クラブ指導…12年(7種類)
ICT担当
(もちろん教科指導…12年)
という感じになります。
これらに”一般化”し、業界・職種・企業研究を行った上で親和性を見出すことで、実際に応募で使用する自己アピールへと昇華されます。
①教師の経験を言い換える
②業界を研究する
③繋がりを見つける
というステップですね。
また、上の表ををまとめたものが履歴書での職歴となります。
履歴書用に書き換えてみるとこのようになります。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
---|---|---|
2012年 | 4月 | A高等学校 赴任(講師) |
生活指導部員、特別活動部員、クラブ顧問として従事 | ||
2013年 | 4月 | B高等学校 赴任(講師) |
生活指導部員、クラブ顧問として従事 | ||
2014年 | 4月 | C高等学校 赴任(講師) |
学級担任、生活指導部員、特別活動部員、入試担当として従事 | ||
2015年 | 4月 | D高等学校 赴任(教諭) |
学級担任、生徒指導部員、入試担当、クラブ顧問として従事 | ||
2019年 | 4月 | E高等学校 赴任(教諭) |
学級担任、進路指導部員、入試担当、クラブ顧問として従事 | ||
2023年 | 4月 | F高等学校 赴任(教諭) |
学級担任、生徒指導部員、ICT担当、クラブ顧問、校外組織役員 |
- 勤務年数は勤務年で分かるため別記しない
- 複数年勤務した学校では経験した業務を全てまとめる
- 顧問として担当した部活動名は省略(アピールにならない)
を気にかけると作成しやすいです。
①列挙してもアピールにならないことは省略する
②略歴であるため、できるだけ簡潔に書く
ということを心掛けましょう!
少し話がそれましたが、
この【年単位・学校単位の振り返り】の方法をおわかりいただけたでしょうか?
これはあくまで準備です!
本番はもう少し先!頑張っていきましょう!
”1日単位の振り返り” 例を使って説明します!
教師は多忙である。
とは言われることが多いですが、これは一般的に80時間と言われる過労死ラインを簡単に上回る時間外労働を指すだけではありません。
息を吐く暇もないほど目まぐるしく変わる業務を1日の中でこなしていること
この業務量の多様さもその要因として挙げられます。
授業
教材研究
生徒対応
保護者対応
分掌の仕事
事務手続き
クラブ指導
ETC…
様々な業務が分単位で入れ替わったりしますよね。
これらの業務を滞りなく行えていること自体にアピールポイントが隠れています。
(時間外勤務が発生する時点で間に合っていませんが…。
ということで1日の業務を振り返ってみましょう。
これはある日の私の業務を実際に書き出したものです。
時刻 | 業務内容 |
---|---|
7:10 | 出勤 |
〜7:15 | メールチェック&タスク確認 |
〜7:35 | 授業用プリント印刷 |
〜7:55 | 今日の授業内容の確認(3科目、4クラス分) |
〜8:15 | 行事LHRの使用プリント作成(素案) |
〜8:30 | 職員朝礼 |
〜8:40 | 担任クラスの教室整備&生徒とのコミュニケーション |
〜8:50 | SHR |
〜12:00 | 授業3コマ |
〜12:15 | 昼食&午前中の授業の評価入力 |
〜12:40 | 3年生面接練習(1人目) |
〜13:00 | 3年生面接練習(2人目) |
〜13:15 | 授業準備 |
〜14:00 | 授業1コマ |
〜14:20 | 校内巡視 |
〜15:10 | 大学受験 推薦書作成 |
〜15:40 | SHR&教室掃除・整備 |
〜18:40 | クラブ指導 |
〜19:00 | 3年生面接練習(3人目) |
〜20:00 | 家庭連絡、書類整理、行事LHRの使用プリント作成(完成) |
退勤 |
この日は2学期の序盤から中盤頃で、学校行事と3年生の入試準備が重なっていました。
そのため通常の授業だけでなく面接指導や行事用の書類作成が入っています。
教材研究に関しては私は1つの単元(国語科なので1つの文章)は文法も展開も完結までの流れを全て最初に作ってしまうので一度作ってしまうとしばらくの授業はそれで行えます。
この時期は教材研究が終わっている時期だったので、別の時にはこれに教材研究も含まれることになります。
たまに(よく?)場当たり的に「明日の授業何しようー?」と言っている教師がいますが、そういう方よりは上手くスケジューリングできているのではないでしょうか。
このように1日の業務を書き出してみると、休む間もなく何かしらの業務を行なっていることがわかります。
授業・授業準備(4コマ授業、プリント作成、教材研究)
担任業務・家庭連絡(SHR、教室整備、家庭連絡)
進路指導(面接指導3回、推薦書作成)
クラブ指導
事務作業(書類整理)
この日の業務は5種類に大別することができます。
ポイントは
その5種類のひとつひとつに注目すると、さらに複数の業務を行っている
ということです。
さらに細かな目で見ると10種類の業務は1日で行っていますよね。
この日は”特に忙しかった”という印象のない日でしたので、多忙な日は更に業務が重っているのでしょう。
忙しさのレベルは私なんかは序の口だったと思いますので、一度1日の流れを振り返ってみて、その業務量を確認してみてはいかがでしょうか。
1日だけでなく複数日を分析してみると、更に様々な業務を挙げることができると思います。
これで1日単位の振り返りも終了、準備が全て整いました。
これを使ってアピールポイントへと発展させていきます!
アピールに繋げる!振り返りに具体性を持たせましょう!
【年単位・学校単位の振り返り】
【1日単位の振り返り】
この2種類の振り返りを行うことで整理できた教師の業務は次のようになりあmす。
学級担任…40人×8回=320人
生徒指導部員(分掌)…7年
進路指導部員(分掌)…5年
入試担当…合計8回(年)
クラブ指導…12年(7種類)
ICT担当
(もちろん教科指導…12年)
それらのうち10種類以上の業務を1日に並行して行っている
次はこれらを使って、
”具体性を上げる”
”親和性を見出す”
ということを行っていきます。
教師の経験をアピールできるものに変換した際、それを
評価へと繋げる作業として具体的な事柄を挙げる
作業を行いたいと思います。
私はバク転ができる!
ということに対して、どうすれば信じることができるでしょうか。
何かを高く評価したり信頼したりするとき、それを可能にしている要因はなんだと思いますか?
答えは簡単ですよね。
私はバク転ができます!
では今から披露しますね!それっ!
実際に見せるということです。
でも書類選考や面接で実際に見せるのは難しいですよね。
そのため別の方法で信用を集める方法が具体性を示さなければなりません。
「私はタスク管理能力がある」
というアピールを、披露することは流石にできません。
そのため
1日に10種類を超える業務を並行して行なってきた。
家庭への連絡は保護者の仕事が終わる放課後、昼休憩中に授業以外の進路指導など行える時間が限定される業務を抱えながら週に4種類(8クラス)計18時間の授業の実施と準備も行なう。放課後にはクラブ指導も行なっている。
というように具体的な取り組みをあげることで、
確かに色々な業務を滞りなく行えているのだなぁ。
と思ってもらえるようになります。
さらに具体的な取り組みを上げる時には、
数値で表す
ということもまた必要です。
数字というものはどの業界・職種でも共通して使われるものです。
そういった共通言語とも言えるものを利用することで理解をしてもらいやすくなります。
民間企業は数字を追った経験を重要視し、それを面接でも尋ねられることが多いです。
教師の業務を数値化する準備をしておいて間違いありませんね。
この行程を取り入れることで
教師は利益(金銭)を追求した経験がない。
教師は数字を追ったことがない。
という世間でのイメージを覆すことも可能となります。
教師は数字を追求する経験をしっかりしています!
それらを示すことで業務を行った中での実績にも繋がり、評価の高い書類並びに面接になるのだと思います。
ではこれから、私が挙げた教師の業務の具体性を持たせるために数値を挙げていきたいと思います。
・1クラス40人の担任を8年間経験=320人を担任
・8年間のうち4回の3学年担任経験=120名の進路実現に深く関わる
・1人15分の3者面談を1日20名実施し、スケジュールのズレが起きなかった
・前年度の進路実績から課題を分析し国公立大学40%の合格率を20%向上
・国公立大学で倍率10倍を勝ち抜かせる出願指導
・国公立大学薬学部に前例のない得点帯からの逆転合格を指導
説得力を持たせる数的根拠を示すためには次のことに注目しましょう。
- 【期間・回数について】
- 何年間継続して
- どれだけの間に
- 合計で何回
- 1日何回(時間)
- 週何回(時間)
- 年間何回(時間)
- 【対象について】
- 合計何人に
- 1回で何人に
- 連続で何人に
- 【数的変化】
- 何から何へ
- 何%変化
- 【幅の広さ】
- 何種類、どの程度
先程挙げたものをこの観点で整理し直してみると次の通り。
・1クラス40人の担任を8年間経験=320人を担任
・8年間のうち4回の3学年担任経験=120名の進路実現に深く関わる
・指導したクラブを顧問就任2年目で上位大会へ
・1年間地区大会未勝利のクラブを半年で近畿大会出場校を相手に惜敗するところまで成長させる
これを見て分かるのは、1つの具体的事項に複数の数的根拠が含まれていることが多いということです。
そうすることでアピールごとの説得力を強めることができますし、採用担当者に業務を想像してもらいやすくなります。
数にこだわること!
それが何よりも大事!
教師の振り返りを自己アピールへ!
以上で教師の経験の振り返り作業は終了です。
これまで挙げたものでどれが自己アピールへと繋げられそうでしょうか?
文量や種類の多様さ、数的具体性から見ると
【学級担任】
【進路指導部員】
【ICT担当】
【教科指導】
は使えそうな気がしますね。
中身を分類してみると
スケジュール管理
対象生徒と伴走、自己実現のサポート
業務改善経験
授業経験
としてアピールができそうです。
これらは【クラブ指導】や【1日の業務取り組み】からも根拠を取ることができますね。
でもこのままじゃ教育業界でしか通用しないよ?
圧倒的な成績を残していてもね。
そのためピックアップしたものを他の業界・他の職種、ひいては応募企業の業務にリンクした表現にする必要があります。
次回はアピールポイントに繋げるための
一般化
について説明していきたいと思います。
ここまでお読みくださりありがとうございました!
次回で自己分析ラスト!
あと少し頑張りましょう!
例として扱うKurinの教師の経験を確認しておきましょう。
・1クラス40人の担任を8年間経験=320人を担任
・8年間のうち4回の3学年担任経験=120名の進路実現に深く関わる
・1人15分の3者面談を1日20名実施し、スケジュールのズレが起きなかった
・前年度の進路実績から課題を分析し国公立大学40%の合格率を20%向上
・国公立大学で倍率10倍を勝ち抜かせる出願指導
・国公立大学薬学部に前例のない得点帯からの逆転合格を指導
それぞれの業務に数的根拠を持たせましたね。
でもこれだけだったら教育業界でしか通用しない…
自己アピールに繋げるための”一般化”とは?
- ”一般化”とは?
-
特殊の物・事・場合から、普遍的な法則や概念を引き出すこと。
- 別の言い方で説明すると?
-
個別の事柄から広く当てはまる概念を抽出する
個別の事柄から他の事柄にも当てはまるような共通点を見出す
国語教師だった私にとっては身近なものでした。
”一般的な言い方に言い換える”と考えると分かりやすいかもしれません。
どういったものになるのかは見た方が早いので、私の例を一般化していきましょう。
- プレゼン力、人前で話す経験
- 自己実現をサポートした伴走経験
- 傾聴力
- タスク・スケジュール管理(顧客)
- 同僚への指導経験
- タスク・スケジュール管理(自分)
- 業務改善経験
- 基本的なパソコンスキル
教科指導→プレゼン力、人前で話す経験
学級担任・進路指導部員・クラブ指導→自己実現をサポートした伴走経験
という感じで言い換えています。
一般化の定義の通り、具体的なものから普遍的な特徴を抽出しました。
このような表現だと他の業界や職種でも十分求められるものになっており、転職活動の場においても教師の経験を武器として戦うことができるようになります。
しかし一般化の作業はこれだけで完成というわけではありません。
全ての人にとって”教師”一時期は身近な存在で、その業務がどういうものか漠然と知っているという方がほとんどです。
ただその実際は一般的に想像されているよりも複雑なのですが、それに気づいていない(知ろうともしていない)方もいます。
教師は数字を追った経験がない
というのもそのひとつですね。
そういう方が企業の採用担当者だった場合、一般化した自己アピールを自分の中でうまく言い換えられたと思っていても、
教師の経験を根拠とする説得力を持つものだと理解してくれるとは限りません。
教師って数字を追ったことがないですが、そういう世界ではやっていけるとは思えないです。
このような指摘を実際の面接ではっきりと言われた経験もあります。
どう切り返すかを試していたのかもしれませんが…。
そのためただ単に類似の要素に一般化をするのではなく、
どの経験からのスキルであるのか
どうしてそういえるのか
を丁寧に説明できる状態にしておく必要があります。
職務経歴書では限られた文字数の中、説明をしなければなりません。
面接では説明に時間を取りすぎるとアピールもできなくなりますし、間延びして印象がよくありません。
そのため簡潔に説明ができるようによく練っておきましょう。
一般化した自己アピールとその根拠を整理すると次の通り。
・40人を対象にした約1時間の授業を週18コマ=年間約850回超の授業
・一方的に相手に話すのではなく、対象生徒の理解や納得を目的としている
・1人15分の3者面談を1日20名実施し、スケジュールのズレが起きなかった
1つのアピールの中に複数の業務が含まれるものがあります。
そういったものが強い根拠を持ったアピールであると言えます。
説得力を増すためのエピソードをより多く提示することができるので、強いアピールポイントになりますね。
私の場合は特に”自己実現をサポートした伴走経験”と”業務改善経験”が強みと言えるでしょうか。
これで2種類の振り返りを使った教師経験の強みを見出す作業は終了です。
どの自己アピールを使用するかは応募する業界・職種・求人業務によって異なります。
選別をするための”業界研究”・”企業研究・企業研究”は別の記事をご用意しておりますので、そちらを御覧ください。
では残るは最後の作業である、2つの自己分析を繋げ、深い背景を持った自己アピールへと昇華する行程です。
人生選択の軌跡を繋げる!深い背景を持った自己アピールへ!
先述に通り、私は以下の点を自己アピールとして挙げました。
・プレゼン力、人前で話す経験
・自己実現をサポートした伴走経験
・傾聴力
・タスク・スケジュール管理(顧客)
・同僚への指導経験
・タスク・スケジュール管理(自分)
・業務改善経験
・基本的なパソコンスキル
これらを説明する教師の経験も具体的に挙げられるようになりました。
そこに更に説得力を加えるために、ここでは
それらを重要視することになった経験は何か
という問いを立てます。
こう聞くと難しいかもしれませんが、
教師という職業を選ぶことになったのはなぜか?
という問いに対して、
①生徒に伴走したかった(寄り添いたかった)から
②誰かに何かを教えたかったから
③変化の多い業界でより良いものを取り入れられる仕事に就きたかったから
というような自己アピールに繋がる理由を答えることができると思います。
この理由を確立させた”原体験”を添えることで、教師の業務以前の背景を持った強い自己アピールとなります。
そして、これが可能なアピールこそ転職の軸となることができる自己アピールです。
なぜなら自分自身の選択の軸となる経験を背景に持つため、それが働くことのやりがいに繋がるからです。
その繋がりが業界や職種・求人業務と親和性を持つ部分になります。
①人と親身に関わった、関わってもらった経験
②自分の直接のサポートが誰かの役に立った経験
③新たなものを取り入れた、アレンジをした経験
私の場合は、特にこれらを【①自分自身の半生を振り返る】で見出したものからピックアップしました。
それを利用して【業務改善経験】の自己アピールを考えてみると以下のようになります。
私は過疎化の進んだ山間部の出身です。
同級生が10人未満というほどの規模の町で、住民の方からは「地域の子」として大切に育てて頂きました。
この生まれた環境が後の私の「生まれ育った地域に貢献したい」「人と親身に関わる仕事をしたい」という職業観に繋がっているのだと思います。そんな環境でしたので地元の小学校・中学校に進んだ私には、遊びや勉強において選択肢が少なく、楽しみを増やしたり効率を良くしたりするために自分なりに工夫をする習慣が身につきました。12年間の教師経験における、
・前年度の進路実績から課題を分析し国公立大学40%の合格率を20%向上
・欠席連絡を電話からフォーム入力へと移行を推進し、担当部署の逼迫を解消する(電話連絡8割減)
・採点ソフトの導入を主導、40%の効率化に成功
・新しいカリキュラムに対応した言語活動をICTを用いて実施。情報科教員から県内で前例がない取り組みだと言われるという業務改善の実績はこのような経験が根底にあるのだと考えます。
さいごに。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
最後にこの記事を読んでくださっている方は
教師からの転職を考えている
30代中盤での転職を考えている
という方が多いかと思います。
そんな皆さんは今まさに
人生の岐路に立ち
大きな不安を抱えている
状態かと思います。
そんな不安の大きな日々を過ごしておられる中ですが、どうか自己分析は丁寧に時間をかけて行っていただきたいと思います。
転職活動は自分の身一つで戦わなければありません。
そして相手に攻め込むのも、自分を守るのも”自分の経験”を使用するしかありません。
その経験を武器や盾に鍛え直す作業が自己分析です。
この作業を疎かにしてしまうと、ちょっとの反論で折れてしまう剣、ちょっとの攻撃で貫かれてしまう盾になってしまいます。
教師の経験を含んだこれまでの人生の軌跡は、誰とも違うあなただけの経験です。
それを大切に磨き上げていきましょう。
また自己分析は転職活動で必須なだけでなく、別の良い面ももたらしてくれました。
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』流に言うならば自分軸を見出すことで、
自分にとっての大切なものや優先したいことについて考えることができ、自分自身の生き方が少し楽になった、というものです。
転職活動より前にこの本を読んでいた私は、
この機会があったからこそ転職を決意できたのだと思います。
教師は素晴らしい職業ですが、教師を続けることによって自分の大切な軸を守れないと思ったからです。
私の場合は家族をはじめとして大切な人との時間を大切にするということが自分にとって優先順位が高いことに気づきました。
そして自分にとっての仕事観にあった業界・企業分析を行ない、内定を頂いた業界へとたどり着きました。
人生に悩んでいるからこそ、立ち止まり振り返ることで進むべき道を見出すことができるのだと思います。
転職活動という負担の大きな活動の中ですが、そのための自己分析が皆さんの人生にとって大きな意味を見出す機会となることを願っております。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
この記事が参考になれば幸いです。
皆さんの転職活動を応援しております。
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