教師として長く活躍するための大きな壁である教員採用試験。
教育委員会に正式に採用され、教諭として教師生活を送るためには合格は欠かせません。
課される内容は自治体によって異なりますが、
一般教養
教職教養
作文
模擬授業
面接
などが一般的でしょうか。
そんな課題の中で複数回実施される可能性のある面接。
教師は能力だけでなく、人柄もかなり重要視されます。
自分自身が教師として子どもたちの前に立つにふさわしいと認めてもらうためには、かなりの対策が必要です。
その準備が難しい…。
という方も多いと思います。
どうして教師になろうと思ったのですか?
小さいころから教師になりたいと思っていて…。
どんな教師になりたいですか?
子どもたちに寄り添える教師に…。
という誰でも答えられてしまい、代り映えのない回答ばかりになってしまいがちです。
そこで今回は
他の受験者の上をいく、”深さ”を持った回答を作ることができる自己分析
について解説をします!
”教師になりたいと思った理由”
”どんな”教師になりたいか”
といった教師としての心構えに関する質問に使えます!
一味違う面接対策!他の受験生と一線を画す回答の作り方を解説します!
よくある答え方と、望ましい答え方を確認しましょう!
面接時のよくある回答の仕方として、
根拠になる部分でエピソードトークをする
というものが挙げられます。
私が教師になろうと思ったのは小学生の時に出会った先生がきっかけです。
その先生は…
こういった答え方は間違いではありませんが、これが浅さの原因です。
エピソードは教師として働く熱意に繋がる大切や要素ですが、面接においてはそれほど重要ではありません。
なぜなら、そのエピソードはこれまでの人生のある1点だけしか示していないからです。
この時になりたいと思ったんだ!
あの時や、この時、それとあの時にもきっかけはありました!
この2つを比べると、複数の時期でその理由説明をしている方が”なりたい意志”が強そうに思えますよね。
つまり、ここで説明していく他の候補者の上をいく回答とは
複数の時期に渡り、一貫性のある回答
ずっとそのことを思ってきました。
と説明できるようにするということですね!
【他の受験者の上をいく面接対策】
複数の時期に渡り、一貫性のある回答を作るための自己分析
先ほど説明した
複数の時期に渡り、一貫性のある回答
が作れるかどうかは自己分析の深さに関わってきます。
話をするための材料が整っていないと浅いままです。
その材料集めが自己分析なのです。
自己分析なんて、過去を振り返るだけでしょ?
と思われるでしょうし、それは間違いではありませんが、
深い(複数の時期に渡り一貫性を持たせるための)自己分析を行う方法
というものがあります。
ここからはその方法について説明したいと思います。
振り返りを行う手順ですが、大雑把に言ってしまうと
物心ついた頃から現在までの選択と、その選択に影響を与えた経験を整理すること
です。
そのための行程として、おすすめの方法を紹介したいと思います。
振り返る時代は幼少期・小学生・中学生・大学生・社会人など。
細ければ細かいほど良い。
各時期の状況に加えていく。
①と②で当時を振り返る、③でその繋がりを検討する、という流れです。
これを行っていくと
ある時代の③を考えた際に、それ以前の時代の経験が影響を与えていること
に気づくはずです。
そういった時代を超えて影響を与える考え方が自分の軸となります。
幼少期の体験が小学生時代に影響を与え、
そんな幼少期の影響を受けた小学生時代が中学生時代に影響を与え…。
そんな繋がりを探す感じです。
ただ理論を述べるだけではイメージしづらい部分があるので、先ほども少し使いましたが私の半生を例に簡単に説明してみましょう。
Kurinの幼少期
☆2人兄弟の次男として過疎化の進んだ山間部の地域に生まれる
☆”近所”というものが少ない地域
☆近所には子どもがほとんどおらず、同い年の子の言えまでは数キロの距離
☆保育所に通うと同級生は10人未満
☆両親が共働きで同居している祖父母に可愛がってもらう
☆家族以外には人見知り
☆家族の前では明るく活発
☆祖父母が好き
☆特に無し
Kurinの小学生時代
★同級生は保育所と同様に10人未満、子どもと遊べるのが小学校
★登下校中には地域の方が声を掛けてくれる
★親が共働きのため教師も親代わりの存在
小学校から帰宅すると祖父母の家に直行
★遊びはもっぱら一人遊び
★一人遊びも普通に遊ぶだけでは飽きてしまうので自分なりのルールを加えてアレンジ
★読書が好きになる
★レゴが好きになる
★人見知りは変わらず、家では明るい
★特に無し
Kurinの高校生時代
☆通える範囲で一番の進学校に通う
☆最寄り駅も遠く、父に送り迎えをしてもらう
☆指導者のいないクラブで上位大会に進出
☆塾に通わず学年上位を維持
☆読書は相変わらず好き
☆自作の問題の作成など勉強の仕方を工夫する
☆プラモデル作成にハマる
☆完璧主義の傾向、ミスを嫌う
☆都会への憧れ、外の世界を見たくなる
☆片田舎での生活の反動、都会への興味
☆一人遊びからの工夫をする精神
☆一人遊びからくるこだわりの強さ
Kurinの大学時代
★日本文学、日本語学を専攻
★大学へ行く条件が教員免許を取ること
★ずっと続けてきたスポーツを辞める
★自分で車を買い、少しずつカスタムする
★一人暮らしの孤独を感じる
★教育実習で教師の面白さに気づく
★読書は変わらず好き
★国語教育への反感
★面白い文章の読み方を研究
★続けてきたスポーツを辞めた挫折
★一人行動を楽しむ一方、寂しさも感じる
★コツコツした作業を好む
★離れて初めて地元の温かさを知る
★一人遊びは相変わらず好き
★文学に触れてきたことから文学部へ
中学生時代は省略しましたが、このような感じで簡単に振り返ってみました。
幼少期や小学生時代は自分の意志で選択をするような経験が少ないため②や③の項目はシンプルです。
高校生や大学生になるとSTEP3に挙げる項目が出てきます。
例えば、高校時代の”都会への憧れ”は過去の”田舎暮らし”が影響しています。
また、大学時代の専攻はこれまでの読書好きが影響していますね。
CHECK!! Kurin子供時代 一人遊びのエピソード
私は極端な過疎の山間部(僻地)の生まれですから、行動の選択肢がほとんどなく
小学生の有り余るエネルギーを一人遊びで発散していました。
その遊び方も普通に遊ぶだけでは飽きてしまうので自分なりのルールを加えてアレンジしていました。
よく覚えているのは”ただ自転車に乗るのではなく農家である自宅の畑をレースコースに見立て、一度も地面に足がつかないまま何周できるかを競う”という遊びです。
朝から晩まで1日中同じところをグルグル周る様子は周囲から見れば奇行でしかありませんが、私にとっては楽しい遊びでした。
【面接対策】例:志望動機、教師になろうと思った理由
では、この振り返りを使用して、
どうして教師になろうと思ったですか?
という質問の答えを作っていきたいと思います。
【幼・小・中】町ぐるみで育ててもらった→地域への恩返し→教師
【幼・小・中】先生に親身になってもらった→人と深く関わる職業につきたい→教師
【高・大】大学での文学の専門性を生かしたい→教師
【大】挫折したスポーツへの心残り→教師
簡単なものにはなっていますが、こういったものをできるだけ多く見出すようにします。
これには
他の選択肢もあるんじゃないの?
と思う方もいるのではないでしょうか。
町ぐるみで育ててもらった→地域への恩返し→市役所・町村役場
先生に親身になってもらった→人と深く関わる職業につきたい→ウエディングプランナー
大学での文学の専門性を生かしたい→編集者
スポーツへの心残り→趣味
私の内的な動機は
町ぐるみで育ててもらった→地域への恩返し→教師
先生に親身になってもらった→人と深く関わる職業につきたい→教師
大学での文学の専門性を生かしたい→教師
というようになりますが、これには
他の選択肢もあるんじゃないの?
町ぐるみで育ててもらった→地域への恩返し→市役所・町村役場
先生に親身になってもらった→人と深く関わる職業につきたい→ウエディングプランナー
大学での文学の専門性を生かしたい→編集者
でもいいんじゃないの?と思われるかもしれません。
これに関してはそれぞれの項目が独立しているのではありません。
地域への恩返しができる職業
かつ(AND)
時間を掛けて人と深く関わることができる職業
かつ(AND)
文学の専門性を生かすことのできる職業
かつ(AND)
自分の好きなスポーツに携われる職業
全てに共通しているのが教師と言えるわけです。
このようにキーワードとなるのは”かつ”(AND)です。
全ての条件を満たしているのが教師だった、となるようにしていきましょう!
【面接対策】例:あなたはどんな性格ですか?、どんな人だと言われますか?
こういった振り返りは、あなたに関わる質問全てに使うことができます。
例えば、「あなたはどんな性格ですか?」「どんな人だと思いますか?」といった質問に対して
自分自身でアレンジすることを好む
という回答を用意することができます。
これは幼少期から自分なりの遊び方を考えてきたことに端を発し、中学生時代・高校生時代の勉強は
学習塾が通えるような距離になかった(環境)のため自分自身で勉強し、
定着度を図るために予想問題を自作する
という方法を取り入れました。つまり
選択肢がない中で自分なりにアレンジしてきた
という私の選択の軸が見えてきます。
これがまさに冒頭でお伝えした複数の時期に渡り一貫性を持った回答であると言えます。
また、教師になった後でも
少しでも便利にならないか
少しでも良くならないか
と常に向上心を持って教育活動に従事することができるというアピールへと繋げられます。
【面接対策】自己分析をあらゆる質問に反映させよう!
この自己分析を行っていれば、質問に合わせて注目するものを変えるだけで自分自身に関する質問に対応することができます。
学生時代に苦労したことやよかったことに注目→どんな教師になりたいか?
になっていきますし、それを「授業」に注目するようにすると「授業で大切にしたいこと」となります。
つまり、
質問からキーワードをピックアップ
↓
キーワードに該当するものを振り返りから抽出
という流れで対策を行いましょう。
そうすると、1つの質問に対して個別の答えを用意するのではないため時間も省略できますし、質問間での一貫性も持たせることができます。
繋がるもの、繋がらないもの関係なく全てを挙げてみましょう!
そうして年代ごとで過去からの影響を見出していくと使えるものや、現在の自分に影響しているものが見えてくるはず!
自己分析に役立つ最強書籍を紹介します!
ではこの記事の最後に自己分析を行うに当たり大変役に立った書籍を紹介したいと思います。
ここまで話をしておいて申し訳ないですが、
実は私は転職活動を始めてから、一度も自己分析をしていません。
それは過去に読んだ2冊の書籍で自己分析が済んでいたからです。
そして、当時は転職関係なしに行った自己分析でしたが、内容の取捨選択はあったもののやり直すこと必要はありませんでした。
それぐらい精度の高いものなので、紹介させていただきたいと思います。
この記事をお読みの方は、ちょうど面接対策や応募書類を作成している方が多いかと思いますので是非参考にしていただければと思います!
【自己分析におすすめの書籍①】
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』八木仁平
このような書き出しから始まるこの書籍は、まさに自己分析をするための書籍と言えます。
転職活動においてもブレない軸を持つことが非常に大切です。
また書籍内では
「この仕事をずっと続けていいかわからない。」
という言葉が続くように、自分にとっての適職を探すことに役立つのが見て取れ、目次を見てみると、
- 大事なこと(価値観)から仕事の目的が生まれる
- 転職・就職面接でも無敵になれる理由
といった仕事に関わる項目もあります。
そして、よく出てくる言葉が「自分軸」。
これだけでも、今回紹介した自己分析に共通するものが多くありますよね。
またこの書籍の更に良いところはタイトルに「世界一やさしい」と書くだけはあり、
自己分析を行う過程がわかりやすい
ということです。
親しみやすい例も合わせて添えられており、それを読みながら
自分の場合は…。
と考えながら進めることができます。
私の転職活動はこの書籍によって支えられたと言っても過言ではありません。
【自己分析におすすめの書籍②】
『メモの魔力』前田裕二
次に紹介するのはSHOWROOM株式会社の代表取締役社長としても有名な前田裕二氏の書籍です。
この本も非常に有名でよく売れていますよね。
ただここで紹介したいのは
メモを持とう!
という話ではなく(それ以外にも大切なことを示してくれている書籍ですが)、その中にある
「ファクト→抽象化→転用」という最強フレーム
です。
これはこれから自己分析で挙げた自分の価値観や強みをアピールへと転換していく時に使用する考えです。
またこれだけでなく巻末には自分を知るための【自己分析1000問】を載せてくれており、
夢・性格・家族などの項目に分かれた質問に対して
幼少期から現在・未来といった様々な視点から応えていく
という形式のものです。
1000問という質問内容に答えるのは大変骨が折れますが、昔のことなんて思い出せない!という人には当時を振り返るヒントをくれる書籍です!
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